妊娠中の歯科治療 DENTISTRY DURING PREGNANCY
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中は無菌状態で虫歯菌は存在しません。虫歯菌は、ほとんどの場合、身近な周囲の大人から生後間もない赤ちゃんにうつってしまうケースがほとんどです。そのため、自分の唾液が付いたスプーンでそのまま食事を与えたり、話に熱中するあまり唾が飛んで赤ちゃんの口内に入ることのないようにしたり、虫歯菌をうつしてしまわないよう特に気をつける必要があります。
一番良いのは、妊娠・出産の予定のある方は、妊娠前にしっかりと虫歯の治療を行い、口内の状態を改善しておくことです。もちろん妊娠中でも歯科治療は行えますのでご安心ください。
妊娠中の患者様への配慮
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レントゲン検査
従来の1/10程度のX線量で撮影できる機材を使用し、さらにX線量を1/100程度まで減らせる防護用エプロンを撮影時に着用します。安心して撮影していただけます。
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安全な薬剤を使用
基本的に薬剤は使用しないようにいたします。使用する場合には、血管収縮薬が含まれない麻酔薬や、妊娠中の方でも使用できる痛み止め等を少量使う場合があります。
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妊娠期の体調への配慮
大きなお腹では仰向けなどの体勢ができませんので、ドクターが立位で施術をするなど、妊婦さんに配慮した態勢で治療を行います。
マイナス1歳から始める
マタニティ歯科
妊婦さんが歯周病の場合、早産・流産・低体重児のリスクが増大することが研究により明らかになっています。安全に出産し、お子さまを健康な状態で育てあげるには、妊娠中からまずは自分のお口のケアに取り組むことが非常に大切です。虫歯のある母親の子どもはやはり虫歯リスクも高く、虫歯のない母親の子どもと比較すると、2歳時点で虫歯がある確率が圧倒的に高いことがわかっています。
このことから、生まれてくるお子さまのお口の中の状態は、お母さんの口内の健康状態と密接な関係にあると言えます。お子さまに虫歯菌をうつさないよう、妊娠中からきちんと治療や予防に取り組んでいきましょう。
区の妊婦検診
お住まいの自治体によって、妊婦さんの歯科検診が無料で受けられたり、費用の一部を負担してもらえたりするところもあります。一度確認してから歯科検診を受けましょう。妊婦さんの歯科検診は、通常の妊婦健診を起こっている産婦人科ではなく、歯科医院で実施している検診です。歯科検診の内容は、虫歯の有無や歯肉の様子など、口内の状態をチェックするのが一般的です。唾液から虫歯菌の量を調べることもあります。正しい歯の磨き方のアドバイスも受けられます。妊娠中や産後の歯の問題など、気になることは遠慮せずに今のうちに相談しておきましょう。
治療を受ける時期に赤ちゃんが産まれてお世話が始まると、歯医者さんに通うことが難しくなります。妊娠中に一度は歯科検診を受けるようにしましょう。歯科検診を無理なく受けられるタイミングは、つわりが過ぎて安定期に入ってからといわれています。妊娠初期のうちは切迫流産の危険があるので、痛みや腫れなど緊急を要する治療が必要な場合以外は歯科に行くのは控えましょう。妊娠後期になると、陣痛がいつ起きてもおかしくない状態になり、歯科の治療どころではなくなります。
また、お腹が大きくなると治療用の椅子に座っているだけでもつらくなってきます。歯科検診は、妊娠中期までに済ませておきましょう。妊娠中期であれば、歯科検診で虫歯や歯周病が見つかった場合にも、一般的な歯科治療は通常通り行えることがほとんどです。